アセスメントの方法:
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設計・著作©ウイーン工科大学、工学設計研究所-エコデザイン |
適切な技術(ベスト・プラクティス)を適用して、材料、プロセス、補助材料を効率的に使用すれば、原材料の消費を削減できる。これは結果として、廃棄物による環境破壊を減らし、環境から採取する原料の量を減らす。排出物の少ない生産技術はその下流側における浄化やろ過装置の必要性を減らす。さらに、浄化やろ過からの毒性のある副生成物の量を減らすことができる。
通常の操業時のエネルギー消費や排出物には問題がなくても、ある種の技術は高い環境上のリスクがあり、事故の際に大きな環境破壊を引き起こす可能性がある。これには、毒性のある補助材料や主材料の使用によるリスクを含んでいる。
生産工程の目的は、原料を製品に変換することである。従って、プロセスの廃棄物は、材料の非効率的な使用を表していると考えられる。廃棄物を捨てることによる環境影響に加えて、環境から採取した原料の消費を考慮しなければならない。多くの場合、非効率な生産工程において、廃棄物になる原料の調達が大きなコスト要因である。この種の廃棄物を減らせば、廃棄処分のコストだけでなく、原料の調達コストを削減できる。
廃棄物を防ぎ、コスト削減のための最も重要な戦略は、生産工程において材料を循環させることである。廃棄材料をリサイクルし、生産工程に戻すことができれば、廃棄のコストを削減するだけでなく、原料の消費を削減できる。さらに、外部でリサイクルを行なったり廃棄するより輸送が少ない。必要なことは、リサイクル可能な材料を使用することと、廃棄物を回収し、分離することである。
多くの場合、完全に廃棄物を出さないことはできないし、またこれらの材料を全て生産工程に戻すことはできない。新製品の製造にそれらをリユース、リサイクルすることを考えるべきである。しかしながら、この際には、これらの新製品の製造が元の材料より廃棄物を出さず、有害物質を発生しないことを保証しなければならない。これらは、意図している環境に有益な効果を相殺してしまう。
どんなに努力しても、完全に廃棄物ゼロの生産はまれにしか実現できない。避けられない廃棄物は、環境影響が最少になる方法で処分しなければならない。一つの方法は、廃棄物を分離してから、一部を再利用したり処分することである。この場合、有害物質の注意深い処理が特に重要である。投入側に焦点を合わせると、適切な材料、補助材料やプロセス材料を選択することによって、廃棄物の材料の組成の管理を積極的に行う方法がある。
廃棄物の選別と分離は工場内、もしくは、外部での材料のリサイクルや再使用、さらには、さまざまな廃棄物処理のために、本質的に必要である。ある場合には、廃棄物のクラス分けで十分である。この目的を達成するためには、各生産段階の工程を再配置するだけで十分なことも多い。例えば、様々な材料からなる部品をある寸法に前もって切断し、その後互いに接着すれば、多額の費用をかけてのみ分離可能な複合材料の廃棄物を出さないようにできる。
不合格品の割合を最小にすることは、コスト削減のためにも重要な目標であり、品質管理や品質保証における重要な因子でもある。不合格品は、製品の製造において使われた資源の投入に対して直接的な利益をもたらさない製品と定義される。これは資源の使用効率が完全にゼロであることを意味している。不合格品の割合が多くなれば資源の全体的な効率が減少する。不合格品のもう一つの問題は、特に生産工程の最終段階で不良品としてはねられると、生産現場でリサイクルできるように部品を分解しなければならないことである。