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製品の高信頼性を確保しなさい

信頼性のコンセプトは、一定期間、ある使用条件下で故障せずに、製品がその機能を果たす確率を意味している。環境上の理由だけでなく、製品が高信頼性を達成し、可能な限り長期使用することは重要である。保護装置を用意する製品設計(例えば過負荷に対するヒューズ)もこの問題に密接に関係している。製品の信頼性を評価し向上させるためのツールとして”故障モード影響解析”(Failure Mode and Effect Analysis, FMEA)がある。


製品の品質を高くし、可能性のある不具合を最小にしなさい

品質は種々の部品や部品の相互作用によって決まる。高品質な製品は、使用条件が最適でない場合にもその機能を果たすことができる。ユーザから製品が機能を十分に果たしていると認められるようにできれば、高い評価が得られるだけでなく、これは製品を長期使用してもらうための必須条件となる。ユーザの使用期間は製品の実際の寿命と必ずしも同じではない。日用品ではしばしば品質が不十分なために寿命が尽きる前に捨てられてしまう。


アップグレード(機能向上)を可能にする製品設計をしなさい

製品の長期使用を可能にする重要な方策は、アップグレードを可能にする設計である。これは、技術の進歩が早く製品がすぐに時代遅れになる分野において特に重要である。通常、製品全体が時代遅れになることはなく、ある部品やユニットのみが時代遅れになるのである。そのため、時代遅れになる部分を交換可能なモジュール構造に設計し、機能を向上したモジュールと交換できるようにして、製品を長く使用できるようにすることに意味がある。これのためには、設計者が幅広い状況を考慮できるようにならなければならない。例として、グラフィックスカードが挙げられる。グラフィックスカードを使えば、新しいソフトウエアが必要な場合でも技術的に時代遅れの(固定周波数の)モニターを使用し続けることができる。


多目的使用できるように製品を設計しなさい

一つの製品の中にいくつかの機能を兼備させることで、ある1セットの機能の実現に必要な資源の全体的な消費をかなり減らすことができる。しかしながら、多目的使用できる製品のコンセプトによって、各機能の品質が低下してはならない。いろいろな器具(例えば庭や厨房器具)の駆動装置のように、特に資源集約型の部品を多目的化設計することも考えられる。器具のそれぞれに対し駆動装置を用意する場合と比較して、有効性は明白である。


単純な機能の実現方法を選びなさい

基本的に、単純な機能の実現方法のコンセプトは、機能の統合によって材料の投入量を減らすことを意図している。より少ない部品で機能を実現することができれば、資源の消費を減らすことができるはずである。締結部品数の最少化も同様に重要であって、材料の節約や組立分解時間の短縮に有効である。


使用段階で調整や改造ができる設計をしなさい

高品質を維持するために、磨耗や損傷にさらされる製品や部品は、磨耗や損傷が容易に補償できるように設計しなければならない。自己調整ができるように設計するのがあまりにも複雑であるとか、あまりにも高価である場合には、耐用年数をできるだけ長くするために磨耗や損傷を補償する手動による再調整ができるようにしなければならない。


top 設計・著作©ウイーン工科大学、工学設計研究所-エコデザイン